西松建設から二階前経産相側への違法献金事件では、年間5万円以下の小口献金について、政治資金規正法が寄付者名を政治資金収支報告書に記載する必要がないとしている点が悪用された。鳩山氏の偽装献金問題も資金管理団体「友愛政経懇話会」の個人献金で今回と同じ構図だ。
どう考えても金額は別として二階氏の方が素人の目からしたら悪質だと思う。西松建設の偽装献金事件で、二階氏の政策秘書が略式起訴をされた関連政治団体は、西松側に事務所を用意させ、家賃を払わせていた。記憶で定かではないが、その事務所と西松建設の支所が同じビル内で実弟が運営する事務所とされていたと報道された記憶がある。
西松建設側は東京地検特捜部に工事受注に有益な情報収集や人脈開拓を期待しての事と説明をしている。二階氏の地元和歌山県では「西松建設といえば二階氏」と言われ空港工事など多くの公共工事を受注していたそうだ。公共工事の約八割が二階氏の選挙区内に集中して不可解な点が多いようだ。
それも西松建設と二階氏は30年来の付き合いだと言われている。なぜ二階氏が支援を受けられたのか。どんな癒着があったか疑問が残る。おおよそ入札価格を漏らしていたと想像がつくが真相は分からずに終わりそうだ。
【関連する記事】
小口献金の「匿名性」悪用…二階氏秘書略式起訴二階氏処分求める抗議文/自民県連



3月に小沢氏の秘書が逮捕され、次は二階氏だと報道していたが、このタイミングは二階氏が当時与党で経済産業相だったから衆院選後まで先延ばしされた模様だ。偽装献金では何とも手の込んだ手口で行われていた。西松建設の社員が一人五万円を寄付したと偽り、3年間で計九百万円を献金した。
年間五万円以下の小口献金について、政治資金規正法が寄付者名を政治資金収支報告書に記載する必要がないとしている点が悪用された。政治資金規正法違反で秘書は、罰金百万円の略式起訴を受けた。これで公判手続きを省略する略式起訴で二階氏と西松の密接な関係が公判の場で明らかにされることは無くなってしまった。
国民からすれば、それで済むは話ではないだろう。秘書が略式起訴された問題で二階氏は記者に「(秘書は)やや軽率なところがあった」と発言。責任の自覚はないし反省もしていない。また鳩山氏と比較され「桁が違う」と言った。それをニュースで聞いた時には腹がたった。
鳩山氏の原資も良いとは言わないが、二階氏は業との癒着がくすぶる問題だ。こちらの方が問題で金額の多さで計る物ではないと思う。「政治とカネ」の問題が相次ぎ鳩山氏の場合も、原資はともかく、大勢の個人を装って、五万円の小口に分けた点は共通のやり方だった。
たぶん、この二人だけではないと思うのが当然で今後は違反した場合、政治家本人の責任まで問われるように政治資金規正法の改正をしてほしい。鳩山氏の資金提供問題を追及したい自民党側は、弟邦夫氏の実母から資金提供が発覚した。次には二階氏の秘書の略式起訴だ。
選対局長でもある二階氏の問題で意気が上がらない状態になっている。自民党の大島幹事長は、二階氏と鳩山氏の問題は違うとして、引き続き選挙対策局長を担当させる考えを示していた。だが党内では「何のけじめもなしに相手を追及できるのか」と考えるだろう。
選挙を考えれば党県連としてもけじめが必要と考えるのは当然。谷垣総裁は「選挙の実務処理と今回の問題は別」として辞任させないつもりでいる。自民党内の役職はどうでも良いが今の自民党は二階氏にはくすぶった疑念をぬぐう責任があると思う。抜け穴のない法改正をして「政治とカネ」への国民不信を取り省くことを望みたい。
公明党の山口代表の定例記者会見。珍しく同感。
スポンサーサイト
テーマ : 政治のニュース
ジャンル : ニュース